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YURA表現プログラム



■第一章
 「表現との出会い」
■第二章
 「人生の役割を演じる」
■第三章
 「生死を彷徨う」
■第四章
 「パニック症」
■第五章
 「内観」
■第六章
 「未来の自分」
■第七章
 「自分らしく生きる」
■第八章
 「大いなる自己への道」
■あとがき
 「感謝を込めて」

〜YURA表現プログラム誕生物語〜
第四章 「パニック症」

そして1ヶ月すると、驚くほど元気になり退院しました。
でも、それだけならきっと「喉元過ぎれば・・・」になっていたんだろうと思います。
そう簡単には元の状態に戻してもらえませんでした。

退院して3週間が過ぎた頃、突然襲ってきたパニック。
ストーン!と、心の中が真っ暗闇になってしまったのです。
怖くて怖くて、家の中で一人でじっとしていることが出来なくなりました。
外に出てとにかく歩き回りました。でも、怖い。

何もかも失った気がしました。
俳優学校も、せっかく創った演劇空間も、今後の仕事も、生徒たちも何もかも。
私に残ったのは、病みあがりの身体だけ。
見舞いにきてくれた人が帰ってしまうと、
この世で一人ぼっちになった淋しさに襲われました。

これから、どうして生きていけばいいのか・・・
何か一つ以上のことをしようとするだけで、怖くなる。
歩いていたら、事故の心配。
家にいたら、地震の心配。
夜も眠れない。怖い怖い。ストーンと空洞に落ちていく感覚でした。

確かに約束通り、「身体と声」は戻してもらえました。
でも、こんな風に心が病んでいたのでは、生きていることにはならない。

「病気を引き起す、自分自身を根っこから変えなければ、
また、病気を引き起こしてしまう。本当に完治したことにはならない。」
嫌でも、そのことに直面せざるをえない状況を、与えられたのでした。

神様は、この脳出血とパニック症のダブルパンチがないと、
私のような人間は、本気で、命がけで、自分を変えようとしないことを、
ご存知だったのだと思います。


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